気温が高いイメージのある奄美大島ですが、10月ともなると涼しい日が増えてきます。過ごしやすくなる時期です が、それでも10月の平均気温は23.7度と温暖です。海水の温度も高いので、天候が良ければ、水着で海に入ることが できます。10月になっても海水浴やシュノーケリングを楽しむことができるのは大きな魅力です。
また、9月から11月頃にかけての奄美大島は、各地で五穀豊穣を願う伝統行事が開催される時期でもあります。10月 下旬から11月の上旬にかけて行われる「種おろし」もその一つで、各家庭を回って踊りや会食を行い、翌年の豊作を 祈願する行事です。種おろしは、龍郷町や笠利町の各集落で行われています。
7月から9月にかけての奄美大島は繁忙期で、数多くの観光客が訪れますが、10月に入ればその数は減少します。その ため、混雑を避けて定番の観光スポットをゆっくりと楽しむことのできる、穴場の時期でもあります。
ただし、注意しなければならない点もいくつかあります。その一つが台風です。10月になっても、多いときでは月に 2回、台風が奄美地方に接近しています。降雨量も多い傾向にありますので、急な雨に対しての備えをしておくと安 心です。
また、ハブにも注意が必要です。ハブは気温が24度前後のときに活動が活発となるため、秋はハブの被害が心配され る時期でもあります。ハブには直射日光に弱いという性質があり、草むらなどに身を潜めていることがあります。そ のため、草木が生い茂った人気の少ない場所では、ハブに警戒する必要があります。道の真ん中を歩くようにした
奄美大島の南端に位置する岬にある、大島郡瀬戶内町のホノホシ海岸では、丸い石がビーチ一面を埋め尽くす、不思議な光景を目にすることができます。
ホノホシ海岸は太平洋に面した海岸です。周辺の海辺は釣り場としても有名で、タイやカツオ、伊勢エビなどが釣れることでも知られています。
海岸の入り口にある駐車場と広場を抜けると、砂浜ではなく丸い石が一面に広がる光景に圧倒されます。石の大きさはピンポン玉やテニスボールほどもあり、それらがビーチの至る所に転がっている様子は壮観です。丸い石同士がぶつかると、カラカラ、ゴロゴロと音を立てます。波が打ち寄せるたびに鳴るその音に、心が癒されます。
何故、このような丸い石が集まっているのでしょうか。ホノホシ海岸の周辺の海の海流は荒く、その荒い波にもまれて角の取れた石がこの海岸に滞留したのです。そのため、丸い石がぎっしりと敷き詰められた不思議な風景が生まれたのです。
玉石と呼ばれる丸い石が一面に広がる光景は珍しいもので、つい記念に持ち帰りたくなってしまうかもしれません。しかし、石を持ち帰るのはやめておきましょう。何故なら、この海岸の石にはある言い伝えがあるからです。
ホノホシ海岸の石には現地の霊が宿っているとされており、持ち帰ってしまうと、石が夜な夜な動き出す、持ち帰った人間に災いが降りかかる、などと言い伝えられているのです。そのため、珍しい形の石を見つけても、決して持ち帰ってはいけません。
また、ビーチから海に向かって左手には、穴の空いた岩場も存在しています。洞窟のような岩場の穴を通して海を眺めてみるのも、ホノホシ海岸での楽しみの一つです。
ホノホシ海岸には公園が隣接しており、整備された駐車場やトイレも利用できます。ゆっくりと時間を取って、自然の神秘を目で味わうことのできる場所です。
所在地は、鹿児島県大島郡瀬戶内町古仁屋船津になります。
奄美大島の南部の港から、フェリーで20分程度の場所にある離島・加計呂麻島では、毎年10月に「諸鈍シバヤ」とい う伝統行事が開催されています。
諸鈍シバヤが行われる諸鈍集落は、加計呂麻島の東南側に位置する集落です。集落の入り口にある大屯(おおちょ ん)神社は、平資盛(たいらのすけもり)を祀った神社で、諸鈍シバヤはこの神社の境内を舞台に行われます。
源平の戦いに敗北した平資盛は、追手を逃れて加計呂麻島の諸鈍集落に落ちのびてきたと伝えられています。諸鈍シバヤは、平資盛が村人と交流するために伝えた演舞がその始まりといわれています。シバヤという名称の由来には、「芝居」のなまったものであるという説と、楽屋の周囲を柴で囲っていたから、という説がありますが、はっきりしたことはわかっていません。
諸鈍シバヤは、昭和51年に国の重要無形⺠俗文化財に指定され、毎年旧暦の9月9日に上演されています。演目の数は かつては20種余りあったといわれていますが、現在は、11の演目が伝承され、演じられています。演目は、「タマ ティユ」と呼ばれる人形劇や、両手に鎌を持って踊る「カマ踊り」、吉田兼好のことを歌ったとされる「キンコウ 節」など多様で、見る者を飽きさせません。最後に披露される演目が「高キ山」で、豊作を祈願しているという躍動 感にあふれた踊りで諸鈍シバヤはクライマックスを迎えます。年に一度しか開催されない諸鈍シバヤを見るために、 毎年10月には島内外から多くの人が加計呂麻島を訪れています。
諸鈍シバヤの特徴として、出演者がすべて、シバヤ人衆(にんじょう)と呼ばれる集落在住の男性であることが挙げ られます。女性の役も男性が演じます。シバヤ人衆は、「カビディラ」と呼ばれるユーモラスな表情のお面を被って います。カビディラは紙製で、一つずつ手作りで異なるので、自分好みのカビディラを探してみるのも楽しみ方の一 つです。
約800年という⻑い歴史を持つ諸鈍シバヤは、途絶えていた時期もありましたが、現在に至るまで加計呂麻島で守り 伝えられている伝統行事です。
一面の丸い石が壮観なホノホシ海岸から歩いて行ける場所にも、リゾート気分を味わえる美しいビーチがあります。 大島郡瀬戶内町のヤドリ浜は、ホノホシ海岸にほど近く、車でなら1〜2分の距離です。海の色はエメラルドブルー で、白い砂浜が弧を描いて延々と続く、美しい光景が広がっています。対岸に加計呂麻島を見渡しながら、綺麗な景色と海での遊びを満喫することのできる海岸です。
ヤドリ浜は波の穏やかなビーチで、シュノーケリングにはもってこいです。遠浅の⻘い海に潜れば、クマノミをはじめとした色とりどりの熱帯魚やアオウミガメを観察することができます。サーフィンやジェットスキー、ダイビングにも適していて、海のレジャーを楽しむには絶好のビーチです。海に入らずとも、ガジュマルの木陰で美しい海や砂浜、加計呂麻島を眺めてゆったりと過ごすという楽しみ方もあります。
ビーチのすぐ隣にはキャンプ場もあります。シャワーやトイレが完備されているだけでなく、炊事棟なども備えたキャンプ場です。キャンプをしつつ海水浴も楽しめるので、家族連れにも魅力的なスポットです。ヤドリ浜の所在地は、鹿児島県大島郡瀬戶内町蘇刈になります。
また、ヤドリ浜が広がるのはTHE SCENEの目の前です。宿泊客であれば、海で遊びたくなったらすぐにビーチまで 出て行くことができます。ヤドリ浜でのマリンレジャーを楽しむには、THE SCENEは絶好のロケーションです。
10月の奄美大島には、夜になるとこの時期ならではの楽しみがあります。それは、オリオン座流星群を観察できるこ とです。
オリオン座流星群は、流星群の中でも2番目に速度が速く、明るい流星が多いので、肉眼でも観察しやすいという特 徴があります。出現時期は10月2日から11月7日頃で、活動のピークを迎えるのは10月21日頃です。 流星が流れ始めるのは午後10時頃からです。しかし、観察に適しているのは真夜中過ぎです。真夜中過ぎには放射点 が高くなるからです。放射点とは、そこから流星が飛び出してくるように見える天球上の1点のことで、輻射点とも 呼ばれています。
流星の数ですが、1時間あたりに20個以上出現することはあまりありません。しかし、2006年には1時間あたり60〜 100個以上の流星が観測されたこともあります。この年は、3〜4日間にわたって流星の活発な活動が観測されまし た。
奄美大島は夜の明かりが少ないため、天体観測に適した条件が整っています。オリオン座流星群は10月にピークを迎 えるので、夜空を流れる流星を探すには、暑さのピークを過ぎた10月の奄美大島は絶好のロケーションと言えます。
THE SCENEの屋上テラスでは、夜はお酒の提供も行われています。屋上テラスでお酒を飲みながら、美しい夜空を 見上げて流星群を観察することができます。LOMU(ロム)やMIMP(ミムピー)といったボディケアの施術を屋上 テラスで行ってもらうことも可能です。満天の星空の下で、くつろぎの時間を過ごせます。また、THE SCENEではさまざまなアクティビティも用意しています。ボートシュノーケリングで加計呂麻島の⻘の 洞窟まで泳ぎに行ったり、ハンモックで昼寝をしたり、クリアカヤックで海の中を覗いたりと、奄美大島の自然を存 分に楽しむことができます。
10月の奄美大島を訪れる観光客は、繁忙期に比べると減少します。さらに、10月といっても水着で海に入れるほど気 候も暖かです。そんな10月の奄美大島のおすすめは、定番の観光スポットです。また、10月の見どころの一つとし て、加計呂麻島で諸鈍シバヤが行われます。諸鈍シバヤを見に行くなら、加計呂麻島へのアクセスがいいTHE SCENEに宿泊するのがおすすめです。