上から撮影した奄美大島

奄美を世界自然遺産へ!多くの人を魅了する自然を未来に伝えよう!

2020.11.11

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奄美大島には、多くの自然が存在しています。より多くの人に魅力を知ってもらうために、奄美大島は世界自然遺産登録に向けてユネスコへ推薦書を提出しました。しかし、奄美大島について詳しく知らない人も多くいるでしょう。本記事では、そのような人に向けて奄美大島の魅力や世界自然遺産に登録される流れ、登録の課題などについて解説します。

奄美大島の魅力

奄美大島には多くの魅力があります。ここからは、その魅力について、自然が豊かである点・美味しい食事がある点・歴史ある産業がある点の3つを解説します。

豊かな自然


鹿児島本土と沖縄県の中間にある奄美大島には豊かな自然が多く、手つかずの自然が堪能できる島であるといわれています。島の面積は沖縄本島の約8割で、日本にある離島の中でも2番目の大きさを誇ります。その大きな島の多くが森であり、その中で独自の生態系が築かれ、アマミノクロウサギやイシカワガエルをはじめとした島の固有種や絶滅危惧種などが多く存在しているのです。また、アマミブルーともいわれる奄美大島の海は透明度が高く、サンゴ礁が広がっている点が魅力となっています。小魚も多く泳ぎ回り、ダイビングやシュノーケリングはもちろん、近年ではSUPも人気です。

SUPは、「Stand Up Paddleboard」を略したもので、専用のボードの上に立ち、パドルを使って水面を進んでいく水上アクティビティを指します。サーフィンのボードに似た形をしていますが、浮力が高く安定感がある点が特徴で、すぐにボードの上に立つことが可能です。そのため、SUP初心者でもすぐに慣れて楽しめるでしょう。水上を進むだけでなく、ボードの上でヨガをしたり、寝転がってお昼寝をしたりもできます。川下りなど、激しい波に乗ることもできるので、楽しみ方はさまざまです。

ほかにも、日本第2位の規模といわれる大きさのマングローブ林が広がっていて、カヌーなどのアクティビティをしながら自然に触れることができます。奄美大島は、このような豊かな自然が多くあることからも、ほかの地域ではなかなか目にできない動植物を見たり、きれいな海で思い切り泳いだりしたいという人たちが多く訪れる場所なのです。

美味しい食事


奄美大島では、美味しい食事が食べられる点も魅力といえるでしょう。島の郷土料理のことを「シマジューリ」といいます。奄美大島では「鶏飯」をはじめとして、「油ソーメン」「山羊汁」「豚骨の煮込み」「エラブチ刺身」などが代表的なシマジューリです。

#鶏飯
鶏飯はごはんの上に錦糸卵やほぐした鶏肉、パパイヤ漬けなどの具と、みかんの皮や海苔などの薬味をのせて、その上から鶏で出汁をとった熱いスープをかけたものです。お茶漬けのような感覚で、あっさりと食べられる料理になっています。島では学校の給食や家庭でも出るポピュラーな料理といえるでしょう。

#油ソーメン
茹でた素麵にニラと煮干しを加えて炒めた料理で、提供するお店によって汁ありと汁なしのどちらが出てくるかが異なります。奄美大島の伝統的な料理であり、飲んだ後のしめにもおすすめです。

#山羊汁
奄美大島では昔からお祝いのときなどに食されていた料理ですが、山羊独特のにおいがあるため、好き嫌いが分かれる一品です。

#豚骨の煮込み
その名の通り、豚の骨を煮込んだ料理のことを指します。お正月やお盆などのお祝いのときに出されることが多いようです。煮込んでいるため、身も柔らかくて食べやすく、また、コラーゲンも豊富な料理です。

#エラブチ刺身
あまり聞いたことがない名前かもしれませんが、エラブチという魚のお刺身です。コバルトブルー色できれいな魚ですが、臭みが強いため、食べる際は酢味噌で食べる人が多くなっています。

ここで紹介した料理以外にも、青さのから揚げやパッションフルーツなど、さまざまなシマジューリがあります。味やにおいが独特なものもあるため、口に合うかどうかは人によりますが、島に訪れた際は是非食べてみましょう。

歴史ある産業


奄美大島では、日本の伝統的工芸品でもある大島紬の生産が盛んで、まさに島の成長を支えてきた産業といえるでしょう。大島紬は奄美大島を発祥の地とする高級絹織物で、綿100%であること、先染め手織りであることなど、いくつかの定義が定められています。また、絹糸に独特の光沢を与えるために、泥田を利用して色を染めていく泥染めが行われている点も特徴です。なお、代表的な産業としては、大島紬のほかにも、黒糖焼酎の製造や本マグロ・真珠・クルマエビなどの養殖が挙げられます。特に黒糖焼酎の製造は奄美大島でしか認められていないなど、ほかの地域にはない産業が発展を遂げているのです。

世界自然遺産に登録される流れ

世界自然遺産に登録される流れは、まずユネスコ(国際連合教育科学文化機関)へ推薦書を提出することから始まります。ユネスコへ推薦書を提出したあとはIUCN(国際自然保護連合)による現地調査と書類審査、評価が行われます。その後、年に1回開催される世界遺産委員会において、世界遺産として登録されるかどうかが議論されるのです。なお、世界遺産は細かく分けると自然遺産、文化遺産、両者の価値を持つ複合遺産の3つに分けられます。そのうち、世界自然遺産として登録されるためには「自然美」「地形・地質」「生態系」「生物多様性」のいずれかの基準を満たさなくてはいけません。

自然美の基準では「最上級の自然現象、又は、珍しい自然美・美的価値を有する地域かどうか」が、地形・地質の基準では「地球の歴史上を代表する顕著な見本であるかどうか」が問われます。他方、生態系の基準では「生態系、動植物群集の進化・発展において顕著な見本であるかどうか」が、生物多様性の基準では「生物多様性の生息域内の保全において重要な自然の生息地であるかどうか」が問われるのです。ちなみに、日本の自然遺産として登録されている屋久島は自然美と生態系、知床は生態系と生物多様性、白神山地と小笠原諸島は生態系の基準をそれぞれ満たしています。

さらに、上記の評価基準のいずれかを満たすことに加え、「自然本来の姿が維持されているかどうか」という完全性の条件と、十分な保護管理が行われていることも自然遺産登録の条件です。これらの3つの条件を満たすと判断された場合に自然遺産として認められる流れになっています。

なぜ奄美大島が候補に?

奄美大島には、大陸との分離結合を繰り返しながら成り立った歴史があるほか、多様で固有性の高い生態系を持っている特徴があります。さらに、アマミノクロウサギやアマミトゲネズミをはじめとした絶滅危惧種が多く生息しています。このように、奄美大島は貴重な固有種がいることや絶滅危惧種が生息する地として重要な地域である点から、奄美大島が日本における世界自然遺産の推薦候補地になったのです。なお、奄美大島、徳之島、沖縄島北部、西表島、この4つが一つとなり世界自然遺産と呼ばれています。

世界自然遺産に登録するための課題

奄美大島には、大陸との分離結合を繰り返しながら成り立った歴史があるほか、多様で固有性の高い生態系を持っている特徴があります。さらに、アマミノクロウサギやアマミトゲネズミをはじめとした絶滅危惧種が多く生息しています。このように、奄美大島は貴重な固有種がいることや絶滅危惧種が生息する地として重要な地域である点から、奄美大島が日本における世界自然遺産の推薦候補地になったのです。なお、奄美大島、徳之島、沖縄島北部、西表島、この4つが一つとなり世界自然遺産と呼ばれています。

自然環境の維持


世界自然遺産に登録された場合、その場所を見たいと訪れる観光客が増加することが予想されます。そのような観光客の増加によって環境負荷が大きくなり、適切な自然環境が維持できなくなる恐れもあるのです。そのような事態を防ぐためにも、観光する場合のルールなどを決める必要があります。また、絶滅危惧種を守るために、希少野生生物の交通事故対策やノネコやマングースの捕獲、外来種対策などが必要です。ほかにも、密猟や盗堀などの防止対策を進めていくことも重要になります。

保護措置の作成


世界自然遺産に登録されるためには、一定の基準を満たしていなくてはいけません。基準となる資質を守り、世界自然遺産の登録地としての価値を維持するためにも、法律・制度に基づいた保護措置を取る必要があります。このような保護措置を取ることで、対象となる地域が適切に保全されるのです。具体的な取り組みとしては平成21年1月に環境省によって、「奄美地域の自然資源の保全・活用に関する基本的な考え方」が示され、「生態系管理型国立公園」と「環境文化型国立公園」を目指すと発表されたことが挙げられます。実際にその結果として、平成29年3月には「奄美群島国立公園」が誕生しています。また、林野庁によって、平成25年4月に奄美大島の固有林に「森林生態系保護地域」が設定されています。

世界自然遺産に登録されるメリットとは?

世界自然遺産に登録されるとさまざまなメリットがあります。1つ目のメリットとしては観光客の増加が挙げられます。世界自然遺産として登録されることで知名度が上がり、世界中から観光客が訪れるようになるでしょう。日本を訪れる外国人観光客の中には日本の自然や景観を楽しみたいと考えている人も多くいるため、世界自然遺産を一目見ようとその地域に行く人も増えると考えられます。旅行会社のプランにも、世界遺産を巡るツアーが販売されていることからも、世界自然遺産に登録されることの注目度は高いといえます。

2つ目は登録地のブランド力が上がることです。世界自然遺産に登録されることで、ユネスコという有名な団体から認定された場所というブランドがつきます。その結果、多くの人によいイメージを与えることもできるでしょう。ブランド力が上がり、魅力も高まることが期待できるのです。3つ目は地域の活性化につながることです。登録地を見るために訪れた観光客によって、その地域の宿泊施設や飲食店が利用されます。その影響は売り上げの増加だけでなく、集う人口が増えることによって賑やかになるなど、活性化が期待できるでしょう。それまでは訪れる人が少ない地域でも、世界自然遺産に登録されることで国内外から多くの人が訪れるようになるのです。

世界遺産登録申請中の奄美大島に行ってみよう!

2020年8月時点、奄美大島は世界遺産登録申請中です。奄美大島には山間部や海など、美しい場所が多くあります。また、観光やアクティビティも豊富なので、大自然と触れ合いながら観光や遊びを満喫したい人は是非、世界自然遺産の登録候補である奄美大島に訪れてみてください。その際はネイチャークレンズホテルである「THE SCENE」を利用するとよいでしょう。

THE SCENE amami spa&resort
THE SCENE amami spa&resort

住所 : 〒894-1523 鹿児島県大島郡瀬戸内町大字蘇刈970
電話番号 : 0997-72-0111
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