新しい場所に出かけてそこでさまざまな体験をすると、脳に刺激を与えることになり良い影響がもたらされます。旅行がもたらす脳への効果として期待できるのは、トレーニング効果です。
特にトレーニング効果が及ぶといわれているのは、脳の司令塔をつかさどる前頭葉に対してです。この前頭葉は、選択・判断・系列化という3つのプロセスがバランス良く含まれる活動をすることで鍛えられます。旅行に行くとなると、「どこへ行くか」「何をするか」「何を食べるか」など、さまざまな事柄を選択し決定していかなければなりません。旅行期間という限られた日数の中でどのスポットをどの順序で回るか、荷物をどのようにパッキングするかなども考える必要があります。こうした行動により、無意識のうちに選択・判断・系列化というプロセスをふんだんに取り入れていることになり、脳は大いに鍛えられています。
旅行により新しい場所を訪れて、地名や景色、特産物などを記憶することも一種の脳トレーニングです。旅に出ることによって得られたさまざまな新しい情報は、脳の海馬といわれる記憶装置に供給されます。その新しい情報が場所ニューロンと呼ばれる神経細胞を刺激し、より長期的な記憶へとつながっていきます。旅によって得られる多くの新しい経験が、脳に多くの刺激を与えて活性化させてくれるわけです。
旅に出ると、「普段の疲れを忘れてリフレッシュできた」と感じる人は多いでしょう。では、実際には旅行中のどのようなタイミングでリラックス効果は得られているのでしょうか。
新しい場所で多くの選択や判断をすることにより、脳が刺激されているということはすでに取り上げた通りです。このとき、脳内物質の分泌は活性化された状態で、それにより心と体はリラックス効果を得ています。特にその効果をもたらしているのは、幸せホルモンとも呼ばれている脳内物質のセロトニンです。旅行中は普段よりもセロトニンが多く分泌されることが確認されており、その影響を受けて旅行に出ている間は気持ちが落ち着き、リラックスした状態になっています。
このほか、旅行中はストレスを受けたときに分泌されるコルチゾールが減るという研究結果も発表されています。さらに、気分が良いときに分泌されるクロモグラニンAと呼ばれるたんぱく質が、旅行中には普段よりもずっと多く分泌されているという報告もあります。こうしたことの相乗効果により、旅先でのリフレッシュ効果が生まれていると考えてよいでしょう。
旅行によるリフレッシュ作用が出るのは、何も旅行中に限った話ではありません。出かける前の準備の段階から、その効果はすでに得られています。
旅行の計画を練るとき、わくわくして気持ちが高揚するのではないでしょうか。旅先の景色を思い浮かべながら、宿泊先や観光スポットについて調べるだけで楽しいと感じる人は多いでしょう。これは、旅行のプランを立てている段階で、すでに脳内では幸せ物質であるドーパミンが分泌されているためです。人は、将来的に欲求が満たされるとわかったときから早くもドーパミンが分泌され、快感を覚えるようになっています。旅行プランの計画は、自分の中の「どこかへ行きたい」「きれいな景色を見たい」などという欲求を事前に満たす行為とも言い換えられます。この先楽しみが待っていると、脳はフライング的にドーパミンを分泌するので、まだ出かけないうちから幸福感を感じることができるのです。
旅行前のリフレッシュ効果には、長続きしやすいという特徴があります。旅行前の幸福感が上昇した状態は、約8週間も続くといわれています。旅の計画を8週間前から立て始めれば、その間ドーパミンの恩恵を受けながら過ごせるというわけです。また、旅行プランは大雑把なものにするのではなく、細かく立てるほうが幸福感は大きくなるといわれています。行き先の観光スポットや郷土料理などをよく調べて、何をして過ごすかじっくり考えてみましょう。
旅行中は、リフレッシュ効果を最も感じやすい期間です。脳内物質のセロトニンが多く分泌されるため、心が落ち着くとともに不安感をなくした状態を作り上げることができます。
海外旅行に行く機会があるなら、それは脳の言語野と呼ばれる分野を刺激する良い機会となります。言語の壁によって日本語以外の言葉を用いようとすると、脳の中の普段使っていない部分が刺激されるのです。また、何かを必死に伝えようとしてボディランゲージを使うことも多いでしょう。身振り手振りでコミュニケーションを取ることにより、コミュニケーションをつかさどる側頭連合野と呼ばれる部位が活性化されます。
別の点として、旅行中には膨大な情報の中から行き先を自分で選択して決定することになります。突発的に起こるさまざまな状況に対応しつつ、一つ一つ判断を重ねていくことは、脳の前頭葉を刺激する大切なプロセスです。しっかり計画を立てていても、「突然雨が降ってきた」「電車の中に忘れ物をしてしまった」など、不測の事態は旅行中にはつきものです。そんなときに自分で考えて行動を起こして対処することは、脳にとても良い刺激となっています。
楽しみにしていたバケーション期間中に幸福感が出るのは、ある意味当然のことといえるでしょう。できることなら、旅行が終わった後もその幸福感を日常的に継続させたいものです。
旅行中に増加するセロトニンという物質は、日光を浴びたりリズム運動をしたり、咀嚼したりすることによって多く分泌されるといわれています。そこで、普段の生活にもこのような行動を取り入れていけば良いのです。たとえば、晴れた日に外に出て散歩をすれば、日光浴とリズム運動の両方ができます。リズム運動とは規則的に同じ動きを繰り返すことで、ランニングやウォーキングなどが含まれています。ただ歩くだけでなく、あえて知らない道を選んだり、新しい店を探しながら散歩したりすれば、脳には心地良い刺激となるでしょう。
ストレスを感じてしまいがちな仕事の日も、工夫をすればランチタイムに脳内を刺激してリフレッシュ効果を得ることができます。お昼どきにオフィスの中ではなく公園でお弁当を食べたり、ゆっくり噛むことを意識したりすれば、脳の海馬という部位が刺激されます。日常生活でも、少しの意識や心がけで旅行中のリフレッシュ効果を継続させることができるのです。
旅行がもたらすリフレッシュ効果を最大限に得たい人におすすめなのが、ヘルスツーリズムです。ヘルスツーリズムとは、健康の増進や回復に主眼を置いた旅行や観光のことで、ウェルネスツーリズムと呼ばれることもあります。「観光」と「健康」を結び付けた新しい旅行のスタイルで、欧米諸国ではよく知られており人気を集めています。
ヘルスツーリズムの登場により、旅行が医学的な根拠に基づいてメンタル面に良い影響を与えることが明確になりました。日本には温泉や森林などの自然が生み出した観光資源や名所が多く、ヘルスツーリズムとの相性が良い環境が整っています。そのため、各地域で自然の中でのウォーキングやマッサージなど、ヘルスツーリズムのプログラムが実施されています。
世界的な傾向を見ても、アクティビティや自然療法、食事療法など、健康の増進や回復を目的としたツアーの参加者は増えています。アクティビティとはハイキングやピラティスなどのことで、自然療法とは大自然の中での瞑想やマッサージなどのことです。食事療法では漢方を摂取したり、ファスティングやデトックスなど健康に良いとされる食事法を実践したりします。
多くのヘルスツーリズムは、フィジカルとメンタルのどちらの面でも健康を維持するために導入されています。ストレスが多い現代人にとって、旅行によるヒーリングやリフレッシュはまさに必要なものとなっているのです。
旅先でリフレッシュ効果を得て、精神面を良好な状態にするメンタルヘルスには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
#運動を取り入れる
1つ目は、積極的に体を動かすことです。特に取り入れたいのは、ウォーキングやジョギング、サイクリングなどの有酸素運動です。旅行先でレンタサイクルを借りて周囲を散策してみたり、少し遠くまで足を伸ばしてウォーキングしてみたりするのはどうでしょうか。運動量が自然と増えるようなプランを立てて実行すると、より効率的にリフレッシュ効果を得ることができます。
#落ち着く場所でゆっくり過ごす
旅先として、自然が豊かで空気が澄んでいる場所を選び、ゆったり過ごすのもおすすめです。落ち着く場所で深い呼吸を繰り返すだけでも、大きなリフレッシュ効果が得られます。にぎやかな場所に出かけるときは、カフェなどでゆっくり過ごす時間を意識的に作ってみましょう。
#新しいことを楽しむ
旅行先での新たな発見や、いつもとは違う人との付き合いなども脳には良い刺激です。固定概念にとらわれることで起こりがちなストレスやイライラを解消でき、リフレッシュにつながります。日常生活のワンパターン化を防いで、物事の価値観や視野を狭めないようにすることで、ストレスの原因を摘み取ることができるのです。新たな土地ではこれまでとは違った価値観や考え方に触れ、解放的な気分を楽しみましょう。
旅に出れば脳にさまざまな刺激を与えることができ、心と体の両面にポジティブな影響が及びます。旅行を楽しみながら得られるリフレッシュ効果は自分自身の健康につながり、人生を豊かにさせてくれます。「ホテルザシーン」には、そのような健康を意識した楽しい旅行を手助けするプログラムが豊富にあります。旅行でリフレッシュをしたい人やヘルスツーリズムに興味がある人は、ぜひ「ホテルザシーン」の利用を検討してみましょう。
住所 : 〒894-1523 鹿児島県大島郡瀬戸内町大字蘇刈970
電話番号 : 0997-72-0111
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